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   蓮群 雄莢 がお贈りする日々の徒然日記。                 僕が目撃した笑撃の瞬間を共有しようと始めた個人ブログサイトです。  
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まだお若いのに........
そんな言葉が僕の脳裏に浮かび、思わず目頭が熱くなりました。


 


□□□□□□




これは先日、某神父様のいらっしゃる教会の催しにお邪魔した時の事でした。
12月の第一周の日曜のミサのあと、クリスマスの飾り付けをするとの事で
僕らはお手伝いに上がったのです。
「ほーら、クッキーが焼き上がったわよ。みんな手を洗って来なさい」
「「「「「はーい」」」」」
大方の作業が終わった頃、そんな声が僕の耳に届きました。
意外に面倒見の良い某女性が子供たちにおやつを作ってあげたようです。
「ぼーず、運ぶの手伝いなさい」
「.........へーい」
子供たちに向けた優しい声とは打って変わって某方へ御命じになります。
某方は一瞬だけ複雑そうな顔をしたものの黙って素直に従います。
女王様には誰も逆らえませんよね。
さて僕は飲み物を用意しているであろうT嬢のお手伝いでもしようかと
腰を上げました。
すると、とてとてと可愛い足音をさせ小さなお嬢さんが近づいてきました。
僕に......ではなく机の上のゴミを片付けていた某不憫な方の前に立った少女。
不憫な某方がそれに気付いて顔を上げた瞬間、少女は手を伸ばしました。

「おじちゃん抱っこ♪」

そう言うと少女は某不憫な方に抱きつきました。
あ.......某不憫な方、固まってます。修行が足りませんねぇ。
それはさて置き、少女の手には大きな星。
どうやら彼女は、もみの木の天辺にその星を飾りたいようです。
僕らの中で一番背の高いその方に頼んだ事は間違いではないでしょう。
が....................... うん、楽しいから見てましょう。
少し悩んだものの僕は傍観を決め込みました。
「おじちゃん?」
固まったままの某不憫な方を不思議に思ったのか少女はもう一度話し掛けます。
その声にようやく我に返った某不憫な方はぎこちなく聞き返します。
「何を....したいのですか?」
「おほしさま、あそこに付けるの。おじちゃん、抱っこ」
「..................」
言いたい事を呑み込んだ某不憫な方は、ゆっくりと少女を持ち上げます。
あと少しでもみの木に手が届くという時でした。
「沙耶にさわるな、ヘンタイ!!」
どこからともなく現れた少年が某不憫な方の向こう脛へ蹴りをくらわせます。
痛そうです。
うっ! と呻いた某不憫な方は少女を落としかけるも身を捩り、何とか無事に
少女を床に降ろします。
.............おや?
某不憫な方が妙な体勢のまま動きを止められました。
何でしょう、若干顔色も悪く額に浮かぶのは脂汗でしょうか?
「おじちゃん、だいじょうぶ?」
心配そうに訊ねる少女にも反応しません。
「Rさん、どうされました?」
流石にオカシイと思った僕も某不憫な方へ近づきます。
「.........................」
「..............もしかして、ぎっくり腰........だったり?」
視線で助けを求める某不憫な方に僕は何となく事態を悟ります。
恐る恐る訊ねると返ってきたのは肯定。
「とりあえずT氏を呼んできます」
そう言って僕は踵を返しました。流石に僕一人では動かせませんからね。
「ヘンタイのおじさん、どっか怪我したのか?」
そんな涙が出そうなくらいに無邪気な声が後ろから聴こえてきた時、僕は
今度からもう少し労って差し上げようとおもいました。


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